市場に流通している「ダイヤモンド」と呼ばれているものには、さまざまな種類があります。
ひとくくりにされることで、本物のダイヤモンドがわかりにくくなってしまっているのです。
ダイヤモンドの価値を決める基準として昔から馴染みがあるものに【4C】があります。
しかし、この4Cには欠けている部分があります。
それは、ダイヤモンドがどこで生まれ、どんな運命をたどってきたのかということ。
つまり、ダイヤモンドの生い立ちについては何も触れられていないのです。
ダイヤモンドの生い立ち・履歴(トレーサビリティ)が存在しないことで4つの問題が生じています。
天然のダイヤモンドと比べると、人工的に作られたジルコニアなどの「ダイヤモンドもどき」は価値にして10分の1ほど。でも、それが「ダイヤモンド」として売られている可能性も否定できません。
誰かが過去に身につけていたものや、遺品整理で出てきた指輪などからダイヤモンドを取り出して、加工してまた新品のアクセサリーとして販売されることもあります。それを「中古」だとラベルを貼って売る義務はダイヤモンドの場合はありません。
昨年より本格的に流通するようになった「ラボグロウンダイヤモンド」という石は、「合成ダイヤモンド」とも呼ばれ、人工的に製造されるものの本物のダイヤモンドと非常に酷似していることから、鑑定士でも見分けがつかないほどと言われています。その石の価値を理解し、納得してお求めいただいた場合は良いのですが、中古を新品だと思ったり、人口石を天然石だと思ったり、価値の誤認してしまう可能性があります。さらに、天然のダイヤモンドだからといって、安心はできません。
天然ダイヤモンドだとしても、『ブラッド・ダイヤモンド』として映画化され有名になった、内戦地域で産出され、紛争当事者の資金源となるいわゆる紛争ダイヤという可能性も否定できません。ただ昔と比べて、そのようなケースは劇的に減っています。
次のようなダイヤモンドの特性や業界の慣習が問題を複雑化しています。
- ダイヤモンドは経年劣化しない
- リフォーム・リカットなど再加工が
容易にできる - ダイヤモンドの仕入れと販売を別の会社が
行っていることが多い - 売っているほうもどんなダイヤモンドなのか
分かっていないことも… - 証明書や鑑定書が紙ベースのため、
改ざんされる可能性がある
ダイヤモンド自体にこのような“特殊な事情”があります。
ダイヤモンドは劣化しないため再加工・再流通しても価値は永久に変わりません。
また、業界の慣習的に仕入れから販売までを別々の会社が扱っていることも多く、
ダイヤモンドの生い立ちについて明らかにされないまま取引されているという事実があります。
ダイヤモンドを購入した時に、中古だということを知った上で
「割安なお買い物ができて良かった!」と感じている場合は問題ないのですが、
知らずに購入してしまい「新品だと思っていたのに」という思いを
お客様に抱かせてしまうのは、とても残念なことです。
ダイヤモンドの価値を、従来の品質面での評価だけで決めるのではなく、どこで発掘・研磨され、どういうルートを辿ってきたかという、生い立ちを含めて管理し、正当に評価する必要性を感じていました。
それが、ダイヤモンドの価値そのものを守り、事業者と消費者の双方の為にもなることに繋がるからです。
たとえば、マグロの場合
- 乱獲による個体数の激減
- 違法業法の横行
- 劣悪な環境での奴隷や違法な労働者の就労
など。
非人道的な入手ルートや、違法性の高い方法で収穫されたマグロが普通のマグロと同じ価格・同じ評価で一般に流通してしまう…という問題を抱えていました。
そこで、ひとつひとつの個体に小型のICタグを組み込んで、生産から流通までの課程での情報を追記できるようにしたのです。このトレーサビリティシステムには、ビットコイン等の仮想通貨・暗号通貨で話題となった“ブロックチェーン技術”が活用されています。
ブロックチェーン技術を活用したことで、膨大な量の個体情報を改ざんされるリスクがなく、安全に保存・管理できるようになりました。その結果、今では消費者はICタグに紐づいた情報をネットで検索することで、誰でも簡単にマグロの生い立ちを追うことができるのです。
トレーサビリティシステムの活用は、違法性のあるマグロを市場から排除し、正当な入手ルートのマグロの価値を守ることに繋がりました。
この技術のように、当社でも、ブロックチェーン技術を活用したダイヤモンドのトレーサビリティシステムの開発に成功したのです。
ダイヤモンドの生産、加工、流通の過程をすべて「見える化」すると、こんなメリットがあります
売り手側にとっても、買い手側にとってもメリットを享受することができます。
ダイヤモンドの生産、加工、流通の過程をすべて「見える化」すると、こんなメリットがあります
売ブロックチェーン技術を応用したトレーサビリティシステム(特許出願中)を採用することで、
信頼できる「産地直送 新品ダイヤモンド」を取り扱うことができるようになります。
まず、信頼のおける採掘先から採れたダイヤモンドを買い付けます。
その後、加工・流通の各段階において独自のシステム『トレーサビリティビュアシステム』に
ダイヤモンドのシリアル番号・契約書・研磨前後画像・原石研磨プラン・鑑定書など、
お客様の手に渡るまでの一連のデータを1点ずつ記録するようにします。
どのような仕組みになっているかについてご紹介します。
理にかなったシステム
本システムはブロックチェーン技術を使ったシステムで、現在、特許出願中です。
ブロックチェーンは、世界中に点在するサーバーにデータを分散させる「分散型ネットワーク」であり、情報の一つ一つが暗号化されています。
そのため「取引の履歴が残る、改ざんができない、データが喪失されない」という利点を持つ生産履歴管理システムです。
本システムにダイヤモンドのシリアル番号、契約書、発注書、リスト、研磨前の原石の画像、原石研磨のプラン、原石後のダイヤの画像、鑑定書など、ユーザーの手に渡るまでの一連のデータを1点ずつ登録することで、
(1)サプライチェーン履歴の証明
(2)偽造・改ざんの防止
(3)書類紛失リスクの消滅
…などを実現し、品質の客観性と可視化の向上に繋がります。
「生い立ち」だけではない「一人ひとりのストーリー」を後世に伝えます
産出元で付番された番号と、検査機関であるGIAが鑑定した番号をGIAが刻印することで、鑑定書とダイヤモンドは結び付けられます。
そして、トレーサビリティビュアシステムにて、当社が販売するダイヤモンドの情報を原石の買い付けから、研磨、流通、販売まで1点ずつ登録していきます。
≪登録される内容≫
シリアル番号/契約書/キンバリープロセス/研磨前の原石/原石研磨プラン/研磨後のダイヤ/鑑定書
情報を登録するとブロックチェーンに記憶されます。ダイヤモンドを購入するお客様は、WebサイトのリンクまたはQRコードからそのダイヤモンドの情報を確認することができます。
登録には情報の分散化、暗号化が可能なブロックチェーン技術を使っているため改ざんすることができないというメリットがあります。
ブロックチェーン技術を活用したトレーサビリティビュアシステムは信頼性が高く、さまざまな業界で活用されつつある新しい手法です。
一貫管理をしているので、中間コストがかからないためリーズナブルな料金で質の高いダイヤモンドをご提供することが可能です。
アルロサから原石として仕入れて加工することも、研磨済みのものを入手することもできるため、お客様の想いやニーズに合致した商品を提供することができます。
ブランド企業の製作も担っているジュエリー製造工房とも連携しているため、フルオーダーでオンリーワンジュエリーを提供することができます。
プロポーズの思い出や、大事な写真・動画、想いをこめた手紙などを証明書と一緒に登録することが可能。
「大切な人を想う気持ち」や「後世に残したい思い出」などを代々引き継いでいけるので、ダイヤモンドと共に大切な想いを残し、伝えることができます。
クラウド版
ダイヤモンドを仕入れる場合
当社ダイヤモンドのトレーサビリティビュアシステムをご利用いただく場合
産出国からの買付・研磨・輸入・販売までの追跡データをシステムに登録しブロックチェーンに記録。
品質の客観性と可視化の向上により、お客様に一層の信頼と安心をご提供いたします。
≪ブロックチェーン登録までの流れ≫
1: ダイヤモンドリスト情報からダイヤの情報をシステムに登録
2: オークション等で入札
3: 契約書・発注書をシステムに登録
4: 外国→日本への海外輸出用のドキュメント
(インボイス・キンバリー・税関証明・その他)を作成しシステムに登録
5: 日本→海外(ロシアの研磨会社)への海外輸出用のドキュメント
(インボイス・キンバリー・税関証明・その他)を作成しシステムに登録
6: ダイヤモンドの研磨前の原石画像をシステムに登録
7: 加工後のイメージを決める。原石研磨プラン画像をシステムに登録
8: 研磨後のダイヤモンド画像をシステムに登録
9: 海外(研磨会社)→GIAへ鑑定のため海外輸出用のドキュメント
(インボイス・キンバリー・税関証明・その他)を作成しシステムに登録
10: GIAの鑑定後に鑑定書を発行し、システムに登録
11: 必要なドキュメントが揃ったことを確認してブロックチェーンに証明書データを登録
証明書登録画面
≪証明書の参照方法≫
1. スマートフォンなどでQRコードを読み取る
2. ChromeなどのブラウザでWEB
(PC・スマートフォン)上に証明書ページを表示される
3. クリックすると、別画面で証明書を表示するシステムにアップロードされたファイルに、トランザクションID、ファイルハッシュ値を重ね書きしたものを表示する
【価格】
クラウド版(完成品)
・当社開発のトレーサビリティビュアシステムの利用料
・当社グループ企業によるダイヤモンド卸システムへの加盟店料
これらが全て含まれたパッケージ料金となっております。機能拡張はできません。
導入開発費 50万円(税別)
ランニング費用 45万円/月(税別)
カスタマイズ版
自社でダイヤモンド買い付けのルートをお持ちの方
御社用のダイヤモンドのトレーサビリティシステムの開発を行う場合
仕入れたダイヤモンド同様、自社ルートで買い付けを行っている会社様へのトレーサビリティシステムの開発・提供が可能です。(アルロサとの並行仕入れも可)。
基本機能一覧
No | 管理側(Web) | 証明書登録ユーザ | ユーザ側(Web) |
1 | 書類一覧機能 | 証明書登録機能 | マイページ機能 |
2 | 書類登録機能 | 証明書詳細機能 | 会員登録機能 |
3 | アカウント管理機能 | 証明書確認機能 | プライバシーポリシー画面 |
4 | 証明書一覧機能 | 証明書一覧機能 | 規約画面 |
5 | 証明書登録機能 | 書類一覧機能 | 証明書確認機能 |
6 | 証明書確認機能 | 書類登録機能 | パスワード忘れ機能 |
7 | ログイン機能 | メール通知機能 | ログイン機能 |
8 | 会員一覧機能 | ログイン機能 | |
9 | 鑑定書作成機能 | パスワード忘れ機能 | |
10 | パスワード忘れ機能 | 設定変更機能 | |
11 | 設定変更機能 |
【価格】
カスタマイズ版
宝飾関連企業様などが、記録項目の追加・変更など、仕様の軽微な変更によりカスタマイズを行う場合。
導入開発費 1,500万円(税別)~
ランニング費用 45万円/月(税別)~
※仕様により、費用の変動がございます。
※利用者の規模により、サーバー費用の変動がございます。
OEM版
ダイヤモンド以外の美術品等でトレーサビリティシステムを活用したい方
ダイヤモンド以外のシステム開発・導入を希望される場合
当社が開発したトレーサビリティシステムは、ダイヤモンド以外での活用にも期待できます。
出自を偽ったり、流通過程で重要な情報を改ざんされたりしないようにしたい…その想いを最新ブロックチェーン技術が支えます。
また、QRコードひとつで消費者の方が簡単にWEBから正しい情報にアクセスできるため、消費者保護にも繋がるシステムです。
OEM版
宝石等とは異なる製品・美術品などを取り扱う企業様が、当ブロックチェーン技術を利用して新たなトレーサビリティシステムの開発を希望させる場合。機能を変更し、自社ブランドのシステムを構築します。導入開発費 2,400万円(税別)~
ランニング費用 45万円/月(税別)~※仕様により、費用の変動がございます。
※利用者の規模により、サーバー費用の変動がございます。
ダイヤモンドは貴重なものです。
誰もがその美しさに魅了されるものです。
だからこそ、その価値を保全する必要があると当社は感じました。
残念ながら、これまでは証明書を発行したとしても改ざんされる可能性のある「紙」での保全に留まっていました。
そして現在、ブロックチェーンという技術を活用することで、“改ざんされない仕組み”をつくることができるようになりました。
ダイヤモンドにストーリーを刻むことができるようになったのです。
ぜひこのシステムを活用して、ストーリーの見えるダイヤモンドをお客様にご提供ください。